タイムシェア別荘の仕組みを国内外の事例で比較

こんにちは、ミライ別荘俱楽部です。この記事では最近耳にするようになったタイムシェア別荘について、その定義や利用方法、アメリカのタイムシェア別荘との違い、国内の代表的なタイムシェア別荘会社が提供する商品の特徴について書きました。
「タイムシェア別荘やリゾート会員権のことが良く分からない」「これからタイムシェア別荘について研究したい!」という方にむけて、出来るだけ分かり易く、実データを用いて書きました。ぜひ最後までお付き合い頂ければと思います。

この記事の目次

 

タイムシェア別荘とは

タイムシェア別荘とは、単独で購入すると価格も維持管理費も高価となるコンドミニアム(ホテルタイプ)や、戸建て別荘(ヴィラタイプ)の1住戸、1区画について、1年のうち特定の期間に毎年利用することができる権利、例えば毎年1月の第1週に別荘を利用することができる権利方式です。
この方式は、1960年代にフランスアルプス地方で初めて導入されたとされ、その後、欧米で普及、時に近年はアメリカにおいて人気となっています。アメリカ最大のタイムシェア別荘開発会社のパカーソ(Pacaso)は、8名シェア(分譲平均価格約1億1760万円)の独自システムを構築、約1,500名へ権利販売しています。
Interval international社によれば、少し古いですが2004年には世界100ヵ国約5400箇所でタイムシェア方式のリゾート開発が行われ、市場規模が118億ドルと推計されています。

 

タイムシェア別荘の定義

日本のリゾート会員権には様々なタイプがあります。

① 共有制

1室もしくは1棟の不動産所有権の共有持分を所有する者が会員となる方式です。共有持分の不動産登記がされ、会員が固定資産税を負担するタイプです。

② 預託金制

入会時に預託金を運営会社へ預け、運営の原資に充当するタイプです。預託金は退会時に返却されます。一般的に共有制より費用は低額になります。

③ 利用権制

入会時に入会金や権利金を支払う。会員期間は短く、休前日の利用枠が制限されているケースもありますが、一般的に費用は最も低額です。

今回の記事でいう「タイムシェア別荘」とは、基本的に①の共有制を指しています。

 

タイムシェア別荘の利用方法

別荘を区分所有するオーナーが得る権利には、一般的に以下の3つの仕組みが多くみられます。

■ オーナー自身による利用

タイムシェアに係る権利を取得した別荘オーナーは、所定の期間に、所定の別荘を利用することができます。

■ 第三者への貸し出し

別荘オーナー自身が、権利期間中に別荘を利用しない場合、別荘管理・運営会社を通じてビジターへ貸し出し、レンタル収入を得る事ができます。

■ 交換プログラム

タイムシェア別荘に係る権利を保有するオーナー間で、その権利を交換するプログラムが普及しています。欧米では施設間はおろか、国を越えて交換可能なプラットフォームがありますが、日本の場合は運営会社が管理するその他の別荘利用権利を交換することが一般的です。

 

タイムシェア別荘の予約システム

タイムシェア別荘のオーナーに付与される利用権利日の予約システムは以下の通りです。

① フィックス方式

オーナーが優先的に利用できる日程が予め設定されている方式

② フローティング方式

一定の期間の中で、予め定められた日数について、改めて予約をとった上で利用する方式

③ ポイント方式

オーナーに付与されたポイントを所定のルールに従って使用する方式。夏休み等の繁忙期は必要となるポイントが多くなります。

基本的には上記3方式ですが、ミックス型やアレンジ型など、オーナーのニーズに応えるべく、各社が工夫をこらしています。

 

日本とアメリカのタイムシェア別荘の比較

日本とアメリカのタイムシェア別荘を比較すると、両国間の登記の枠組みにより違いが生じます。アメリカでは利用期間まで登記することや、交換プラットフォームが特徴的です。 *表は横にスライドします

日本アメリカ
オーナーの権利登記特定の部屋の共有持分が登記され、開発会社との契約に基づき日程調整する特定の部屋の特定の期間に利用する権利が登記される
開発会社の倒産開発企業が倒産した場合、共有持分のみ権利が保全開発企業が倒産した場合、権利が保全
権利の譲渡通常は開発企業の許可が必要自由に譲渡可能
資金借り入れ取得資金に対するローンは一般的でない(普及しつつある)取得資金に対するローンが一般的
権利日の交換運営会社の施設間でのみ交換可能国・施設間を越えた交換プラットフォームが存在

 

国内タイムシェア別荘を比較

それでは本題に入りましょう。タイムシェア別荘の本質をご理解いただくために、日本の代表的なタイムシェア別荘の商品を比較紹介しています。
便宜上、私たちの商品「Residence Villa」を除いて全て匿名のアルファベット表記にしていますが、Googleで「タイムシェア別荘」と検索いただければ上位表示される有名企業です。
なおタイムシェア別荘フェザント山中湖、リログループの会員制リゾート、私たちが運営するシェア別荘型リゾート会員権Grande、会員制リゾートGFCは、先にご紹介した②預託金制、③利用権制リゾート会員権にあたるため、改めて別の機会を設けてご紹介します。

 

日本の代表的なタイムシェア別荘

今回、比較した企業は以下の通りです。

■A社タイムシェア別荘

大手不動産デベロッパーのグループ企業が開発運営するタイムシェア別荘。ホームグラウンド制、少数オーナー制を採用、全国各地で別荘開発を行っており、相互利用が可能。

■B社タイムシェア別荘

2021年販売を開始した新興企業。最新テックやSNSプロモーションを駆使し、急速に事業を拡大中。別荘利用に加え、ホテル貸し出しが出来る特徴を持つ

■C社タイムシェア別荘

大手ホテル企業がタイムシェア別荘に新規参入。2023年に軽井沢で2棟のタイムシェア別荘の販売を開始、2024年には同じく軽井沢で10棟の別荘を販売予定。

■マリントピアリゾートグループ Residence Villa(以下:RV)

貸別荘事業、リゾート事業を50年にわたり手掛ける弊社が、2023年より販売開始したタイムシェア別荘。第1弾として兵庫県淡路島にて「AWAJI MARE」を開発

 

タイムシェア別荘比較1:開発エリア

開発エリア
A社軽井沢、蓼科、那須高原、伊豆、京都等
B社青島、那須高原、福岡、北軽井沢
C社軽井沢
RV淡路島

今後の開発計画は、A社箱根、B社石垣、瀬戸内、C社軽井沢、RV那須高原・箱根で計画されています。

 

タイムシェア別荘比較2:シェアするオーナー数と権利日数

シェアするオーナーの人数を比較しました。1人のオーナーが複数の権利を所有する場合もあるので、ここでは一般的に使われる「口数(くち)」でカウントしました。

1棟当りのオーナー数
A社10口、12口
B社12口、24口、36口
C社24口
RV18口
権利付与日数
A社30枚、36枚(ポイント制)
B社10泊、20泊、30泊
C社14泊
D社6泊~上限なし

日本の場合、カレンダー通りに休みを取る方が多いので、オーナーの数が多いほど、夏休みやGW等の希望日に予約が取りにくくなると思われます。

 

タイムシェア別荘比較3:予約システムとその特徴

予約システムを比較すると、各社の考えが分かります

予約システム
A社フローティング方式
B社フローティング方式
C社フィックス方式+フローティング方式
RVフィックス方式+フローティング方式
予約の特徴
A社人気日は抽せんあり

2ヶ月前より予約受付

B社ハイシーズン日と通常日を振り分け

10~12ケ月先の予約可能(先着順)

C社利用日指定のフィックス6泊(2泊3日×3セット)と先着予約のフローティング8泊

フィックスデイは毎年ローテーション

RV利用日指定のフィックス6泊と先着予約のフローティング制(予約可能な限り無制限)

 

タイムシェア別荘比較4:交換プログラム

交換プログラム
A社全国の運営別荘を権利日数の範囲で利用可能
B社全国の運営別荘を権利日数の範囲で利用可能
C社(サイト未確認)
RVリゾート会員権グランデの利用権付与

LXヴィラ(北海道・沖縄)と権利交換

 

タイムシェア別荘比較5:第三者への貸し出し(収益化)

第三者への貸し出し収益化
A社不可
B社
C社不可
RV可(8万円/泊)

Residence Villa は1泊8万円で運営会社の弊社が固定買い上げします。Residence Villa 及びB社は、ビジター予約の如何に関わらず、オーナーは貸し出し収益を得る事ができます。

 

タイムシェア別荘比較6:タイムシェア別荘の販売価格

販売価格(参考)
A社(鬼怒川ホテル)1,633万円/30泊
B社(北軽井沢ヴィラ)テラス込み150㎡ 3,003万円/30泊
C社(軽井沢ヴィラ)250㎡ 3,099万円/14泊
RV(淡路島ヴィラ)200㎡ 1,588万円/6泊~

A社は1泊当り換算でコストパフォーマンスに優れていますが、既にリタイヤされたご夫婦は別として、働き盛りのビジネスリーダーなら年間10~12泊程度の利用に留まるというのが、弊社のこれまでの実績を基にした見立てです。

 

タイムシェア別荘比較7:宿泊料・維持管理費

ランニングコスト
A社
  • 宿泊費1.4万~4万円/室
  • 維持管理費15.8万円/年
  • 修繕積立金8.6万円/年
B社
  • 宿泊費0円
  • 維持管理費~88.8万円/年
C社
  • 宿泊費0円
  • 維持管理費59.4万円/年
  • 12万円/年
RV
  • 宿泊費0円(6泊まで)、以降4万円/泊
  • 維持管理費24万円/年

別荘オーナーにとって負担感のある維持管理費です。弊社では個人で別荘を所有すると年間で50~70万円程度の維持管理費がかかると試算しています。維持管理費をオーナー数で分割できるのがシェア別荘のメリットの1つですが、中には別荘1棟を所有するのと変わらない金額の維持管理費が必要なシェア別荘もあります。

弊社Residence Villa の場合、権利日を3日売却いただければ、年間の維持管理費が実質ゼロになるメリットがあります。

〖関連記事〗別荘の維持管理費を正確に試算

 

タイムシェア別荘比較8:売却・権利譲渡の可能性

出口戦略
A社A社が中古物件の仲介を行う
B社4年目以降、B社が運営するマーケットプレイスで売却可能
C社一般市場で売却可能
RV20年目以降、残存価格相当で弊社が買戻し予定

弊社への事前告知を経て一般市場で売却可能

タイムシェア別荘を所有した場合、将来の懸念点として出口戦略の有無があります。管理費の負担が大きいリゾート資産は、タダ同然でも買い手が付かない過去の事例で散見、使えない老朽化別荘に管理費と税金を払い続けるのは悲惨な末路です。

ここで比較は差し控えますが、運営会社の経営安全性も当然に憂慮しなければならない事項です。

 

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Residence Villa AWAJI MAREのご購入につきましては、 まずは下記「お問い合わせ」フォームからお問い合せください。後日担当者から個別説明会のご案内をさせていただきます。東日本エリアは品川ギャラリーにて、西日本エリアでは、京都府宮津市にて個別説明会および体験宿泊会を開催しております。その後、入会のお申込・ご契約を行い、手続きは完了です。

 

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