【2025年最新版】ホテル投資 高利回りエリア徹底比較!プロが教えるおすすめは?

ホテル投資市場の現状と課題

国内ホテル投資市場は、インバウンド需要の増加、国内旅行の活性化を背景に、市場規模を拡大してきました。特に、訪日外国人観光客は2024年には過去最高を更新、主要都市やリゾート地を中心にホテル建設ラッシュが続くなど、投資対象としての注目度が高まっています。

しかしホテル投資には、多額の初期投資が必要となること、景気変動、建築費や地価の高騰などの外部要因に大きく左右される運営リスクが存在することも忘れてはなりません。競争激化により、収益性の確保が難しくなっているエリアも出てきています。

このように不確実性の高い市場において、感覚や経験に頼るだけでなく、データに基づいた客観的な意思決定を行うことはホテル投資の成功に不可欠です。

エリア選定は、ホテル投資の成否を大きく左右する重要な要素です。立地条件、観光資源、競合ホテルの状況、将来性などを総合的に判断し、最適な投資エリアを見極めることが、高利回りを実現するための重要な鍵となります。

本記事では、データ分析に基づき、ホテル投資における収益性の高いおすすめエリアのポテンシャルとリスクを明らかにし、投資家の皆様がより賢明な意思決定を行うための情報を提供することを目的とします。

ホテル投資における主要指標と調査内容

基準地価は各都道府県が国土利用計画法に基づいて、毎年7月1日時点の全国約2万地点の基準地の価格を判定、9月下旬に公表しています。

実際に不動産市場で取引される価格(実勢価格)は、基準地価の1.2倍程度になることが多いとされていますが、今回分析を加えた人気エリアは観光需要が非常に高いため、実勢価格が基準地価の1.5倍、2倍以上になることも珍しくありません。

本記事では、基準価格の1.5倍を土地価格としてシミュレーションしました。

国交省が発表する建築着工調査では、都道府県別、用途別、構造別に工事費予定額と建築床面積が発表されています。本記事では木造ホテル用途の建築物の直近工事費予定額と建築床面積を割り、㎡当りの建築費を算出しました。

ホテル建築費は全国的に顕著な上昇傾向にあり、2024年には全国平均で坪単価195万円と過去最高を記録しました。一見すると、全国一律に建築費が高騰しているように捉えられがちですが、地域ごとの明確な差異が浮かび上がってきました。

訪日観光需要が活況を呈する北海道、山梨県、静岡県などにおいては、上昇率、単価ともに高い水準にあります。これは、インバウンド需要を見込んだ新規ホテルや簡易宿所、貸別荘の開発が活発である一方、資材価格や労務費の高騰がダイレクトに影響しているためと考えます。

都道府県別のホテル建築コスト比較は、以下の記事に詳しく書いています。

ADR(Average Daily Rate)は、客室1室あたりの平均販売単価のことです。ADRが高いほど、ホテルが得られる収益も大きくなります。

ADRは、ホテルのブランド力、立地、グレード、提供サービスなどによって変動します。

稼働率は、販売可能な客室のうち、実際に利用された客室の割合を示す指標です。

稼働率が高いほど、ホテルが得られる収益も大きくなります。

稼働率は、ホテルの立地、季節、曜日などによって変動します。リゾート地にあるホテルは、夏休みやGWに稼働率が高くなる傾向にあります。

ホテルの売上は、ADRと稼働率、年間営業日数、客室数を基に算出します。

日本旅館協会(日旅協)の調査によると、2022年の旅館1室あたり売上は年1,243万円、ホテルは827万円となっています。

一般的に、利回りはホテルの年間純利益を投資総額で除して算出されます。しかし、本記事においては、既存のデータを活用し、より広範囲のエリア間で比較を行うため、年間売上高を投資総額で除した数値を「表面利回り」として用いています。

本記事では、ホテル投資における収益性を比較検討するため、以下の8地点を調査対象としました。具体的には、弊社が運営施設を有する「山梨県富士河口湖町」「山梨県山中湖村」「千葉県鴨川市」「兵庫県淡路市」「京都府宮津市」に加え、運営エリア外の比較対象として、「長野県軽井沢町」「沖縄県読谷村」「静岡県熱海市」を選定しました。なお、軽井沢町および読谷村、熱海市のデータについては、分析に必要な情報を得るため、星野リゾートの公開情報を参照しています。

本調査では、エリア間の比較を分かり易くするため、以下の投資条件を統一しました。

・土地面積:500㎡
・延床面積:200㎡
・構造:木造平屋建て

これら条件は、弊社が展開する戸建てヴィラタイプのプライベートホテルの標準仕様に基づいています。

今回分析対象としたホテルは、いずれも弊社が各エリアで運営する施設であり、富裕層をターゲットにプライベートプールや温泉、サウナを標準装備し高価格帯にて提供するホテルです。具体的には、以下の施設が各エリアで弊社が運営するプライベートホテルです(画像をクリックすると、それぞれ施設のサイトへジャンプします)

左)グランピングヴィレッジ富士河口湖 右)プライベートヴィラグランピングヴィレッジ富士山中湖

左)プライベートオーシャンヴィラ藍水(千葉県鴨川市) 右)プライベートヴィラ淡路 THE SUITE

天然温泉&プライベートSPA 瑠璃浜(京都府宮津市)

ホテル投資の高利回りエリア調査

前述の通り、調査対象となる8地点において、ホテル建設の投資条件を統一、これらの条件に基づき、各エリアの土地価格と建築費を算出し、これにインフラ整備費および外構工事費として一律4,000万円を加算することで、プライベートホテル1棟あたりの総投資額を算出しました。その結果は、次の通りです。

■平均基準地価
市町村基準地価(円/㎡)
山梨県富士河口湖町    24,210
山梨県山中湖村19,050
千葉県鴨川市22,554
兵庫県淡路市34,543
京都府宮津市24,512
沖縄県読谷村83,160
長野県軽井沢町114,033
静岡県熱海市85,672
■木造ホテル建築単価
市町村単価(円/㎡)
山梨県富士河口湖町    423,217
山梨県山中湖村423,217
千葉県鴨川市393,869
兵庫県淡路市289,795
京都府宮津市322,725
沖縄県読谷村306,809
長野県軽井沢町406,654
静岡県熱海市370,384
■ホテル投資総額
市町村投資総額(円)
山梨県富士河口湖町    108,943,540
山梨県山中湖村105,073,540
千葉県鴨川市104,179,831
兵庫県淡路市100,682,618
京都府宮津市97,110,950
沖縄県読谷村139,187,021
長野県軽井沢町174,323,247
静岡県熱海市148,700,137

算出された投資総額は、弊社が運営する各施設の実際の投資実績と比較した場合、若干の差異が見られるものの、概ね整合性が認められる水準です。

地域別の投資コストの特徴として、土地取得費が総投資額の50%近くを占める軽井沢町、沖縄県読谷村、熱海市においては、総投資額が相対的に高額となり、木造建築であっても1棟あたり1.5億円から2億円程度の投資が必要となる見込みです。沖縄県においては、一般的なホテル建築の構造が鉄筋コンクリート造であるため、建築費がさらに増加し、総投資額が2億円に達する可能性が高いと考えられます。

一方、インバウンド需要が顕著な山梨県富士河口湖町、山梨県山中湖村においては、木造ホテル建築の単価が他の地域よりも高く、兵庫県淡路市や京都府宮津市と比較して、建築費が1棟あたり約1,500万円程度高くなる傾向が見られます。

各エリアで弊社が運営する戸建てヴィラタイプ1棟当りの売上実績です。

■ホテル売上実績(弊社運営施設)
市町村1棟当り売上(円)
山梨県富士河口湖町32,034,745
山梨県山中湖村31,569,478
千葉県鴨川市21,436,141
兵庫県淡路市24,605,340
京都府宮津市17,006,332

ホテルのADRと稼働率は、コンセプト、競合環境、および実施するプロモーション戦略によって変動しますが、弊社が運営する施設においては、ADR10万円~12万円、稼働率50%~80%、年間売上高は1,825万円~3,504万円となります。

地域特性による収益性の差異として、関東圏は関西圏と比較して、人口規模が大きく、富裕層の居住割合も高いため、ADRおよび稼働率を相対的に高い水準で維持することができ、結果として年間売上高も大きくなる傾向にあります。関東圏内においては、千葉房総エリアは、夏に需要が集中する傾向にあり、冬の稼働率が低下する傾向が見られるため、年間を通して安定した集客が可能な富士五湖エリアと比較して、年間売上高は劣る傾向にあります。

なお、弊社が運営施設を持たない沖縄県読谷村、長野県軽井沢町、静岡県熱海市の3エリアについては、分析に必要な情報を得るため、星野リゾートの公開されている営業実績データを参照しました。

■ホテル売上実績(弊社以外の公表データ)
市町村1棟当り売上(円)
沖縄県読谷村(星のや沖縄)18,209,193
長野県軽井沢町(星のや軽井沢)27,934,180
静岡県熱海市(リゾナーレ熱海)25,319,378

特に沖縄県読谷村は、他の調査エリアと比較して、ADRおよび稼働率が低く、その結果、年間売上高も1,820万円と、星野リゾートのホテルの中においても標準を下回る特徴が見られます。

沖縄のリゾートホテル市場においては、千葉房総エリアと同様に、冬の集客が課題となり、投資計画策定にあたっては、「星野リゾートでさえも収益確保に苦慮している」という点を十分に考慮する必要があります。

以上の投資金額、売上を基に、8エリアの想定利回りを計算してみました。

■ホテル投資想定利回り
市町村利回り
山梨県富士河口湖町29.4%
山梨県山中湖村30.0%
千葉県鴨川市20.6%
兵庫県淡路市24.4%
京都府宮津市17.5%
沖縄県読谷村13.1%
長野県軽井沢町16.0%
静岡県熱海市17.0%

本調査の結果、ホテル投資における収益性の観点から、最も高い期待利回りが算出されたのは山梨県山中湖村でした。同エリアは、他の調査対象エリアと比較して土地取得費が相対的に低い一方で、富士山や富士五湖などの豊かな自然環境を背景に、観光需要が安定的に見込め、ホテル運営による高い収益性が期待できるため、表面利回り30%という水準を示しています。特に、近年はインバウンド観光客数が激増しており、今後の成長も期待できるエリアです。

同様に、山梨県富士河口湖町も29.4%という高い期待利回りが算出されており、これらの山梨県内2エリアは、弊社直営施設ではGOP(営業利益率)実績50%超となっているため、6~7年の投資回収期間となっています。

弊社の運営実績を持ち出すまでもなく、富士五湖エリアは、ホテル投資において非常に魅力的な選択肢となり得るでしょう。

一方、沖縄県読谷村は、最も低い期待利回り(13.1%)を示す結果となりました。これは、前述の通り、沖縄のリゾートホテル市場においては、温暖な気候を求めて一定の観光需要は見込めるものの、冬の集客が課題となることに加え、近年のホテル開発競争の激化に伴い土地取得費が高騰、建設コストも上昇傾向にあるため、投資総額が期待収益に対して過大となる傾向が顕著になっているためと考えられます。

大型リゾートホテルの開発競争は激しく、差別化が難しい状況も収益性を圧迫する要因となってくるでしょう。

したがって、沖縄のリゾートホテルへの投資は、現状では収益性の確保が難しい局面に入りつつあると評価できます。この傾向は、長野県軽井沢町や静岡県熱海市においても同様に見られ、これらのエリアへの投資においては、インカムゲイン(賃料収入)と併せて、キャピタルゲイン(売却益)を主眼とした投資戦略の検討が求められると考えられます。

キャピタルゲインを狙う場合、将来的な不動産市場の変動リスクを十分に考慮する必要があるでしょう。

最後にまとめ

ホテル投資においては、エリア選定が投資の成否を大きく左右する極めて重要な要素であることは、改めて申し上げるまでもありません。

本記事では、一般的なデータに基づいた客観的な分析を通じて、ホテル投資における高利回りが期待できるエリアと留意点について考察しました。

分析の結果、山梨県内のエリアは、高い収益性が期待できる一方、沖縄県などの一部エリアでは、土地価格の高騰などの要因により、収益性の確保が難しい局面に入りつつあることが示唆されています。

しかしながら、ホテル投資においては、単なるデータの分析のみならず、市場動向、競合状況、コンセプト作り、運営ノウハウなど、様々な要素を総合的に勘案する必要があります。

1棟売上が2,000万円~3,000万円の高収益ホテルが、これらエリアで運営される一方で、営業不振により売りに出されているホテルや旅館が多くあるのも事実です。

弊社は、全国50超のホテル運営実績を基に、宿泊施設の開発や再生、コンサルティング事業を手掛けております。

ホテル投資に関するご相談や、具体的な事業計画に関するご検討がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。弊社は、御社の事業目標達成に向け、最適なソリューションを提案させていただきます。

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