ブーム終わった?新時代のグランピングは建築費高騰時代のホテル投資の救世主

グランピングブームは終わったのか?

マリントピアリゾートグループは、関東・関西でグランピング施設を多数運営しています。
ドームテント型グランピングは、2017年から全国に先駆け事業を開始、直営施設を積極的に展開、また開業、集客支援を全国で手掛けて来ました。経済誌のインタビュー、テレビ取材、講演会と対外活動も多く、業界のパイオニアと自負しています。
私たちの活動をご存知の方々からよく、「グランピングは最近どうですか?」というご質問を頂きます。その言葉の裏には「一過性のブームは終わったのではないですか?」と、やや否定的なニュアンスを感じざるを得ず、返答につい熱が入ってしまいます。

「グランピングブームは終わったのか?」
おそらく読者の皆さんが感じてらっしゃる疑問、そしておそらくこの記事にたどり着いた理由に対して、初めにお答えしたいと思います。

【この記事の目次】

データからみるグランピング市場

グランピング予約の90%はインターネットを経由します。
したがって検索ボリュームを調べれば、グランピングに対する「興味関心度」が類推できます。検索ボリュームを調べるなら、Googleトレンドが便利です。
下記グラフは、弊社がグランピングに進出した2017年以降、Googleで「グランピング」と検索された数を表したものです。
グラフは最高値を記録した2021年7月を100として各月のデータを相対的に表しています。

グランピングの繁忙期は夏休みなので、毎年7~8月頃が検索ピークとなります。
2021年の夏を100とした場合、2022年が96、2023年80、2024年65となっていますので、毎年20%ずつ減少している状況です。この流れでいけば、2025年はピーク時の半分と予測することも出来なくはありません。


この結果には2つの事が考えられます。
1つは「検索行動=興味関心」が実際に減っていることです。GWや夏休みのレジャーの選択肢からグランピングが外れている事が予想されます。
もう1つは、グランピングが社会に既に認知されたことです。2021年と比べ、「最近耳にするグランピングって何?」といった、初期の調査行動が減ったたことも、その要因と予想されます。

毎年20%ずつ検索数が減るグランピングですが、私たちの現場レベルではどうなのか?
グランピング施設の営業状況について、非公開データを特別に開示します。
私たちが関係する全国のグランピング施設の2024年3月の1室当たりの平均売上は、前年同月と比べて99.0%、2022年同月と比べて96.7%となっており、売上は「ほぼ横ばい」の状態です。
年間ベースでみると、2024年度は前年度比106.4%、2022年度比110.9%と、こちらは逆に「増加」しています。

この数字をみれば、「グランピングブームは終わったのか?」という冒頭の問い対して、明確に「NO」と言い切れます。
もちろん施設個々に見れば、大きく売上を伸ばしている施設がある一方で、売上を落とし、やむなく事業から撤退している施設もあります。
しかし施設の生産性や、グランピング市場全体でみれば、今もむしろ成長拡大しています。

とはいえ、私たちも全面的にグランピングに肯定的という事でなく、「やり方を間違わなければ」と条件付きのスタンスです。
先述の通り、検索ボリュームは激減している上に、個々の施設でみると、業績好調な施設もあれば、売上を落としている施設があるのも事実です。
では、どのようなグランピング施設が、今の業績好調なのかパターン別にご紹介します。

2025年も業績好調なグランピング施設の特徴

これを言ってしまうと元も子もないですが、グランピング施設は基本的に新しい施設に予約が入ります。2021年当時は予約が取れなかった人気施設も、時間の経過と共に売上は下がる傾向です。
また都心に近い所から順に予約が入ります。夏休みなどの繁忙期の場合、近くの施設の予約が埋まった後、より遠くの施設の予約が入り出すという傾向です。
以上は2020年、2021年当初から言われていましたので、今に始まった話ではありません。

誰もが知る人気の観光エリアの施設は依然として好調です。
例えば、関東なら富士山麓や白馬、那須高原、関西なら淡路島、東海なら伊勢志摩などです。
「グランピング+α」、その地で何が楽しめるかが、選択肢としてより鮮明になっています。

「大自然の中でホテル並みの滞在空間やサービス」を提供できる施設は、人気施設として高い評価を得ています。
2021年当初は、雨天時にBBQが出来る専用ガゼボや、客室専用のトイレやシャワーがあるだけでも、充分に高規格といえましたが、今では当たり前になり、サウナや客室温泉、プールなど、各施設それぞれが趣向を凝らしています。
高規格施設は当然に投資が嵩むため、その選択には充分な検討が必要です。

日本一の星空観察、目前にそびえる富士山、無人島にプライベートビーチ、そこにしかない非日常な空間や体験は、メディアでも度々紹介されて、SNSでも口コミ拡散していきます。

新時代のグランピングのターゲットは?

旅行・観光消費動向調査によると、家族・親族旅行者数(夫婦旅行を除く)を2018年と直近2023年の5年で比較すると、全体の46.4%から49.3%へ約3ポイント増えています。
グランピングのターゲットは、友人との旅行も含め、国内観光旅行の約2/3を占める少人数のグループ旅行です。
日本のホテルの客室仕様はツインルームが中心であり、小人数のグループ旅行のニーズに応えているとは言い切れず、この需給ギャップはグランピングのビジネスチャンスです。

インバウンド訪日観光客数は、2025年の予想では4,000万人を突破、コロナ前の水準を優に超えていますが、日本人の海外旅行者数は約1,300万人、コロナ前の65%に留まっています。
伸び悩む理由は円安の影響が大きく、これまでのように気軽に海外には行けない時代になりました。
また人気観光地には、インバウンド観光客の深刻なオーバーツーリズム問題があります。
この傾向は今後も続くことが予想され、夏休みやGWに家族や仲間と楽しむ海外旅行の代替品としてグランピングは位置づけられています。

立地面の制約はありますが、今後はインバウンド観光客もグランピングのターゲットとなり得ます。
私たちが富士五湖で運営するグランピングヴィレッジ富士河口湖は、目の前に富士山が雄大にそびえるロケーションで外国人観光客から人気を博しており、全体予約の30%が海外旅行者です。
アジア系の旅行客は家族や友人など4~6名の大人数で旅する傾向にあり、グランピングの広い客室は親和性が高いです。

全世帯の約9%を占める犬飼育世帯。犬を預けて旅から一緒に旅へ、愛犬家の旅行形態が変わっています。一方で犬と泊まれるホテルの数は少なく、需要過多の状態です。広大な敷地、活動に制限を受けないグランピングは、愛犬家との親和性が高く、有望なターゲットです。

新時代のグランピング運営面の特徴

現在、私たちがお手伝いするグランピングには、10,000㎡を超える敷地に15~30棟の客室を建てる大規模施設がメインになっています。
以前は5~6棟の小規模からでも事業が開始でき、むしろ20棟を超えるような施設は運営や集客が難しく苦戦するとのスタンスを取っていましたが、建築費が高騰する中、際立った特徴がない限り、小規模施設では差別化し安定収益を確保しにくいのが現状です。

設備投資については、客室はドームテント、コンテナキャビンにヴィラ等、バリエーションを持たせて、ドームテントに抵抗感のある層も取り込み、幅広い層に支持される施設にブランディングしています。
建築費の高いヴィラと、比較的安価なテントやコンテナをミックスすることで、全体の建築費を下げ、投資回収期間を短縮、環境変化に柔軟に対応するようにします。
10,000㎡の土地に木造ヴィラ30棟を建築した場合、建築費は総額20億円を優に超えるでしょうが、例えば木造ヴィラ10棟、ドームテント10棟、コンテナキャビン10棟にミックスすることで15億円程度に建築費を抑え、同規模クラスのリゾートホテルの建築費と比べれば半分以下の初期投資で開業する事も可能です。

温泉風呂やプライベートサウナを客室に付けたり、バーやプール、本格サウナ施設など、共用エリアを充実させ、お客様の滞在価値を高めます。
設備投資に関する考え方は、集客に貢献する投資と、貢献しない投資を見極め、貢献しない投資は徹底的に削っていくメリハリを持って企画します。
入り口のデザインや照明、サインなどのファザード、高級なFF&E(家具や什器)など、グランピングの集客に本当に貢献するのか徹底的な検証が必要です。

グループで楽しめる自然体験アクティビティや遊びの提供も充実させます。
海や湖の自然体験アクティビティがセットになったプランは、予約段階で売れ行き好調です。プラン化には、地域事業者との連携、場合によっては自社提供も視野に入れます。
施設内でも、老若男女問わずに楽しめるサービスやイベントを充実させます。
特別なイベント運営やサービス、バー等の共用エリアの充実は、人の手がかかり人件費が膨らむリスクがあります。
グランピングが大規模施設化する理由は上記にありますが、取り組むアクティビティや共用エリアへの投資選別をシビアに行い、人件費が膨らまないよう細心の注意を払います。
採用環境の厳しさもあり、人件費が高騰する傾向にありますので、我々は徹底的に少人数での運営が可能となるオペレーションシステムを開発しています。
食事面においては、施設内に調理機能を持ってしまうと、収益性が一気に下がりますので、セントラルキッチン等を活用した効率的で満足度の高い料理提供体制を構築しています。

私たちが連携するブッキングリゾートの運営する、グランピング予約プラットフォーム「リゾートグランピング.com」は国内最大の予約サイトです。
「リゾートグランピング.com」の独自の集客力をベースに、楽天やじゃらん等の大手OTAを圧倒、同サイト未掲載の施設に比べて2倍以上の生産性を達成しています。

都心から近い自然に囲まれた環境の中で、広くて豪華なオシャレ空間と、ボリュームたっぷりの食事や満足度の高いアクティビティ提供、私たちの強固な集客プラットフォームがあれば、高級旅館や高級リゾートホテルに負けないADR7万円、稼働率70%を超える数字をたたき出すことは充分に可能です。

グランピングご契約形態

これからグランピングに参入を検討される場合、運営の形態としては、直営スタイル、運営を当社に委託いただくスタイルの2つに分かれます。

直営スタイルの場合は、私たちが開業までの支援を無償で行い、開業後に集客代行の成功報酬を当社が頂く契約を締結します。土地代や建築費にかかる実費以外には、コンサルティング費用やFC加盟金等の初期費用は一切かかりません。

運営委託の場合は、当社が運営に関わる業務全てを行い、成果(売上)に応じた運営委託費用を頂戴します。当社が営業可能で、アクティビティや食事提供面で連携できるエリアがあるので、ご相談ください

最新グランピング施設運営事例

都心から1時間の交通アクセス抜群な千葉県富津市の海に近い場所に建つ「グランドーム千葉富津」は2022年に開業、2025年夏で4期目に突入します。
約10,000㎡の敷地にドームテントとプール付きヴィラが計20棟を建築、直近データでRevPER52,000円と営業成績は好調に推移、7年間での投資回収を目指して運営しています。
都市に近いオシャレで現代的な外観、珍しい黒温泉、料金オールインクルーシブサービス 「7つのマルシェ」が、若者グループやカップルから高い評価を受ける都市型グランピング施設です。

目の前に雄大な富士山を望む標高1,000mの高原に20,000㎡を超える広大な土地、ドームテントに2種類のラグジュアリーヴィラ計30棟をゆったりと配置、2023年に開業しました。ドームテントを含めた全室に客室温泉を配し、ヴィラには富士山ビューの本格客室サウナを配備しました。
富士五湖で運営するグループ企業と連携し、四季の自然体験アクティビティをプラン提供することが人気の施設であり、インバウンド観光客からも評価されています。
直近のRevPER50,000円は、当地近隣で星野リゾートが運営する星のや富士にも負けない好業績をあげています。

新時代グランピングの収益モデル

総収入から総費用を引いた、グランピングの営業総利益(GOP)は、客室単価(ADR)と稼働率(OCC)から、運営経費を引いて求めます。
客室単価と稼働率は、立地により変動するので一概に言うことは出来ませんが、ここでは関東近郊(都心から1.5時間)、富士五湖周辺の借地に20棟建築を想定しています。

   ADR70,000円 × OCC70% × 20棟 = 総収入 約3億5,000万円

1棟当り総収入1,750万円は、国内のシティホテルの客室当り平均売上の約2倍、当社が運営するグランピング事業では標準的なモデルとなります。

一方、運営経費ですが、人件費5,000万円、食材費3,150万円、集客手数料2,800万円等、運営経費は2億1,000万円、減価償却をのぞいた年間GOP1億4,000万円、GOP比率40%です。

グランピング事業から得られる営業総利益(GOP)の取得価格に対する割合を還元利回りとして計算します。

取得価格について建築費が高騰していることや開発造成にかかるコストが不透明でもあり一概には言えませんが、当社の標準的な試算なら20棟の建築費12億円とし直営時の利回りを計算しました。

   NOI利回り= GOP1億4,000万円 ÷ 取得価格12億円 = 11.7%

あくまで直営によるシミュレーションですが、一般的なリゾートホテル投資を上回る10%を超えるNOI利回りが期待できるのは、初期投資を抑えられ、事業の収益性の高さによるものです。

収益モデルは、参考データとしてあくまで仮想事業を基に計算したものです。実際には、事業予定地の収益性、建物の取得価格を基に、期待利回りをシミュレーションします。

投資家にとってグランピング事業の魅力

最後に、投資家にとって新時代のグランピング事業の魅力をまとめます。

・レクリエーション旅行やグループ旅行は今後も成長が見込める分野であること
・立地次第ではインバウンド観光旅行の市場も取り込めること
・圧倒的な差別優位性と集客プラットフォームにより高い収益性が見込めること
・ホテル投資と比べて初期投資を大幅に抑えることができること
・運営費を抑え、投資回収期間を短縮することで、環境変化に柔軟に対応できること
・直営施設を全国で運営してきた当社が開発から運営まで一貫した支援を行うこと
・事業承継や相続対策にも有効であること

問い合わせや資料請求のご案内

グランピング事業について、色々と話を聞いてみたい、質問しながら判断したいという方、候補用地があるので事業性を評価して欲しいという方は、問い合わせフォーム、もしくはお電話でお問い合わせください。

候補用地が既にある場合、初回打ち合わせ、現地確認から1ヶ月を目安にご提案させて頂きます。

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